ストレージ基礎

ストレージの基礎 ~② ハードディスクとRAIDの基礎 ~

HDDとは

  • HDD(ハードディスクドライブ)
  • ストレージを構成する重要な要素

HDDの構造と種類

  • 一般的に利用されているHDDは、DVDなどの記憶メディアと比較すると、アクセスが速く記録容量も大きい
  • 主流となっているインターフェイス規格は、「SATA(Serial Advanced Technology Attachment)」「SAS(Serial Attached SCSI)」「FC(Fibre Channel)」の3種類がある

SATAディスクドライブ

  • 1990年代、SCSIよりも安価であるという理由から、ATAがパソコンで広く利用されていた(「パラレルATA」)
  • その後、パラレルATAよりも転送速度を向上させる規格としてSATA(シリアルATA)が開発され、パラレルATAに代わって実用化された
  • そして、NCQ(Native Command Queuing)という技術を採用しているSATA Ⅱや、その後継のSATA Ⅲが出てきている

SASディスクドライブ

  • ATAは、おもにパソコンで広く利用されていたが、企業のサーバ環境では、SCSIが性能や信頼性、下位互換性の評価が高いなどの理由から、20年以上に渡って広く利用され続けてきた
  • そのSCSIをシリアル転送方式の採用によって改良したもの=SAS
  • SATAと互換性のあるコネクタを採用
  • 同じストレージ装置内でSASとSATAの両方を利用することも可能
  • SATAよりも性能と信頼性に優れているといわれている

FCディスクドライブ

  • FCは、主にストレージ向けのネットワークに使用されているプロトコル
  • 接続できるデバイス数や転送速度および距離の制限においてSCSIより優れている
  • 高い性能と信頼性、および拡張性や実績の面からも評価が高く、企業のストレージ環境で幅広く利用されている
  • しかし、FCはSATAやSASよりも高価
ハードディスクの種類容量パフォーマンス信頼性価格
SATA
SAS
FC

HDDの選択

  • 一般的に、性能と信頼性が求められるアプリケーションや大規模な環境には、FCまたはSASのHDDが選択されることが多い
  • 一方、コストパフォーマンス重視で高い性能が求められないアプリケーション環境では、比較的安価に大容量のシステムを構築できるSATAのHDDが利用されている

JBOD

  • ストレージアレイやサーバが、単純に複数のHDDを連結させて大容量化を実現する方法=JBOD(Just a Bunch Of Disks)またはスパニング(Spanning)と呼ばれている
  • 専用のコントローラやソフトウエアでHDDを制御
  • 複数のHDDを連結させて、記憶容量を1つにまとめて利用できるようにする技術
  • たとえば、1TBの記憶容量を持つHDD10台をJBODで連結すると、サーバからは10TBの記憶領域として認識される
  • 1台のHDDの空き容量がなくなると、次のディスクにデータの書き込みを行う
  • 一方、JBODはデータの冗長機能や修復機能などが備わっていないので、HDD故障に弱い
  • なぜなら、JBODは、複数の物理HDDを論理的に1つの記憶領域として構成するため、1台でもディスクが故障してしまうと、構成情報の整合性が失われ、アクセスができなくなってしまうから
  • 故障したディスクを単純に交換しても、データは復旧しない

耐障害性に優れたRAID技術

  • RAIDは、複数のHDDを論理的な1台のディスクとして連動させる(JBODと一緒)
  • HDD故障においてもデータを再構成して復元させる機能
  • データを二重化して保持する仕組み
  • 複数のディスクへ分散させて読み書きの性能を高める仕組みを持つ

RAIDの種類

RAID 0 ~データを分割して同時に書き込むので高速~

  • 「ストライピング」とも呼ばれている
  • データは、「ブロック」という一定のサイズに分割され、2台のHDDに分散して書き込まれる構成
  • データが完全に2台のディスクに分散しているため、1台の物理ディスクが故障すると整合性が失われ、全体のデータ消失となる= 耐障害性は低い
  • 主に、高速化を目的として利用されている

RAID 1 ~2つのHDDに同じデータを複製して保存~

  • 「ミラーリング」とも呼ばれる
  • 2台のディスクへ同一の内容を同時に書き込む構成
  • 1台の物理ディスクが故障しても、もう1方のディスクのデータがすぐに利用できるため、データの損失を阻止できる

RAID 1+0(10) ~高速、耐障害性を両立~

  • RAID 1でミラーリングしたディスクグループをRAID 0でストライピングした構成
  • RAID 1による高可用性と、RAID 0による高速化同時に実現する構成
  • 最低4台のディスクから構成可能
  • ただし、ミラーリングとストライピングを同時に行うため、使用可能なドライブ容量は接続しているHDDの2分の1になってしまう
  • さらに、コストもかかる

RAID 5 ~パリティデータ(誤り訂正符号)を各ハードディスクに分散して保存~

  • 最低3台のディスクを用いて、ストライプされて書き込まれるデータセットに対するパリティデータ(訂正符号データ)を付加して分散保存する構成
  • 1台のディスクが故障した場合、保存されているパリティデータから消失したデータを復元(リビルド)させることできる
  • RAID5はデータを分散して複数のHDDへ書き込むため、RAID 1より処理は高速になり、パリティを生成するためRAID 0より安全性が高い
  • ただし、1台のディスクが故障してもデータ消失には至らずアクセスは継続されるが、2台以上のHDDが故障するとデータが消えてしまうため、速やかに障害が発生したHDDを交換し、RAID環境を再構築することが必要
  • パリティ(訂正符号)を生成する都合上、このモードを使用するには3台以上のハードディスクの接続が必須となり、使用可能なデータ容量もHDD1台分少なくなる

RAID 6 ~パリティを2重に生成する~

  • 1つのデータセットに対して2つのパリティを計算し、2台のディスクに分散保持する構成
  • 2台までHDDに問題が発生してもデータを復旧することができるため安全性は高い
  • 各RAIDタイプの中で最高の可用性を提供
  • 使用可能なドライブ容量はHDD2台分少なくなる

ストレージ運用の効率化

  • 新しいディスクに交換して、パリティデータから失われたすべてのデータを新しいディスクに復元させる処理=「リビルド」
  • ストレージアレイ装置側でHDDのオンライン交換を実現させるホットスワップ(活性挿抜)機能も実装されていることが望ましい
  • ホットスワップに対応していない場合、ディスク故障のたびにストレージアレイの停止が避けられず、社内業務活動への影響も大きくなってしまう
  • また、RAIDとホットスペアディスク(代替HDD)を組み合わせると、ディスク故障が発生した際、自動的にホットスペアディスクに対してリビルドが実行され、正常な状態に戻すことが可能となる

参考URL

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